妹系男子。
林さんの部屋を出た俺は
進さんに呼び止められた
リン「…何が??」
スム「妹ですよ」
そういえば聞き損ねた
リン「…大丈夫ですよ」
林さんの憂鬱
原因は俺だったんだ
だってあの表情
でも何かあったらすぐに助けに行く
……友達だから
スム「…そうかー、だったら良いけど」
進さんは不思議そうに俺を覗き込んだ
リン「帰りますね」
俺は違う方向を向いた
その純粋な目で覗かれたら
心の中を読まれてしまう気がしたから
スム「あ、麟太郎君…」
リン「サンドイッチ、美味しかったです」
それだけ言い残した俺は
速やかに家路に着いた
―――
―――
―――
寒空の下の俺
あまりに無力で
あまりにちっぽけで
情けなくて
頼りなくて
不甲斐なくて
この空の増大さが身にしみるだけだった