妹系男子。
サン
***
俺の足はただ前に動いていた
冬色に染まった風のせいか
まだ登りきらない太陽のせいか
いつもより早く起きた朝は
やけに冷たくて息苦しかった
昨日もよく眠れなかった俺は
今朝は珍しく早く起きた
今日しなければならないことを思うと
朝の心地よさなど微塵も感じられない
だから俺は鈴が起きるよりも早く
朝食を済ませて家を出た
―――
校庭に響く部活生達の声
露に濡れた芝生
俺にとってこの朝は新鮮過ぎて
異世界にでも来たかの様であった
空気までもが知らない色をしている
学校に着いた俺は
人気のない階段を上った
ヨシに言われた通り
遅刻しなかったどころか
一番乗りです
何をしなければならないんだっけ??
昨日考えたことを頭で整理する
俺は浮かんだ愚策を振り払う様に
教室の扉を開けた