妹系男子。
好きだと言ってよ。
イチ
*
開けた扉からは勢いよく風が吹き込んだ
そういえば寒かったっけ
イチ「話って何??」
イチはフェンスの前まで行って振り返る
リン「……イチ、ごめん!」
俺は頭を下げた
深々と、勢いよく
イチ「……えっ、ちょっ!」
イチは驚いて俺の姿勢を戻そうとする
リン「まじ、本当にごめん」
姿勢を戻した俺はイチの目を見た
久し振りに合った目は
動揺の色を隠しきれていない
イチ「……何で、何で謝んの??」
リン「俺のせいで、ヨシと喧嘩したんだろ」
俺の頭には二人の喧嘩の映像がよぎった
イチ「……麟太郎」
リン「俺のこと、ムカついたよな」
イチは目を丸くしていたけど
途中で視線を落とした
リン「イチの思いも知らないで」