妹系男子。



痛い奴だと思われる
可哀想だと思われる



どうしたって弁解はできないだろう



………



………



………



もう止めよう



もうよそう



………



他人の目を気にして

本当の自分を押し殺してしまうのは



―――



―――



リン「……よし」



俺は全力で走り出した



『廊下は走らない』


と笑顔で言っている
ポスターの中の熊は可愛い



「誰、今の??」
「さぁ、トイレじゃん??」


横切った教室の生徒達は言う



勢いに任せてみるもんだ
意外と問題はない



―――



俺は荒くなる呼吸のリズムと戦った


鈴と似て華奢な腕を睨む


こういう時に自分の潜在能力には開花してもらいたいものだが



階段の前まで来た

見上げた先は見えない


こんな階段あったかな



俺は立ち止まると深呼吸をした


深く深く



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