妹系男子。
風が林さんの髪の毛を撫でた
冷たい、と毛嫌いしていた風だけど
この時ばかりは良い働きをしてくれる
アキ「…がとう」
リン「ん??」
林さんの声は小さくて細い
アキ「…有り難う、鈴木君」
振り返った林さんの表情は赤らんでいた
リン「うん??……あぁ、うん」
多分昼休みのこと
林さんに嫌がらせしてた人達を
俺(ほとんどユカ)が注意した
アキ「……いつから知ってたの??」
俺も立ってフェンスの方へ
フェンスは古くて錆びている
早く修理するべきだろう
………
リン「最近だよ」
アキ「最近??」
リン「すっごく最近」
俺だって驚いています
こんな急に落ち着いて話せるなんて
しかも二人で
アキ「……有り難う」
リン「うん」
林さんは空の方を見ていた
心なしか爽やかな風を感じる