妹系男子。
母さんが体調を崩したのは
俺達が中学三年生になってから
元々、思わしくなかった病状
いよいよだったのだ
鈴はその頃から
レッスンに通い始めており
父さんは変わらず仕事に追われていた
母さんと二人の時間は増え
俺は一人で母さんの世話をする
嬉しい反面、少し不安だった
一人で世話をすることが
嫌だったのではない
………
………
………
弱っていく母親の姿と
家族の疎遠さがやけに寂しかった
………
病床に伏せる母との会話では
ほとんど毎日鈴が話題に上った
鈴の話をする母さんは
イキイキしていて笑顔がまぶしくて
楽しそうだった
………
………
わりと元気な日には
少しピアノを弾かせてあげたり
気分転換、ストレス発散にも付き合った