妹系男子。



勿論そんなことに意味はない



それどころか最悪の結果をもたらした



―――



―――



―――



自宅療養をしていた母が
入院を強いられる様になった


……もう終わりが近かったのだ


死期を悟っていた母さんは入院を拒んだ


だけど俺は母さんを入院させた



――“母の死”

その言葉が恐ろし過ぎて



恐怖のあまり
母の願いを聞いてやれなかった


母さんの身体を、俺が母さんより理解してる筈なんてないのに



少し入院すれば
元気になると思い込んでいた



………



………



………



レッスンで帰りの遅い鈴は
母と会える時間が大幅に減少した


帰りが夜遅いこともあったから
学校とレッスンの両方が休みでないと
お見舞いには行けなかったのだ



………



………



その時の俺の性格は歪んでいた



その状況を

“改善された”と勘違いしたのだ



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