妹系男子。



遠く離れた父も
電話という手段を絶たれ

一昔前の様にしおらしく手紙を送ってきた



………



母さんは父と会うことを諦め

鈴との会話にも期待しなくなった



初めのうちは
俺の話をする時間が嬉しかった



そして

それに違和感を抱き始めた頃



―――



―――



―――



母は死んだ



―――



―――



俺が学校帰りに病院に寄った時


母さんの回りを白衣をまとった人達が囲んでいたのを覚えている



その中の一人が俺に言ったんだ



………



………



「他の家族の方を呼んで下さい」



………



………



………



死に目に遭わせてあげましょう


俺にはそう聞こえた



俺には何が何か解らなかった

母親が死ぬなんて信じられな過ぎて



俺は鈴と父さんと
必死で連絡を取ろうとした

だがそれも叶わず



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