妹系男子。
ニ
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「……麟太郎君」
林さんは優しくつぶやく
俺は冷たくなった手を
肩に乗った林さんの手に添えた
彼女はこの日から俺のことを名字で呼ぶことをしなくなった
リン「……俺のせいだよ」
冬の風が虚しく頬にあたる
アキ「……どうして??お母さんには麟太郎君がいたじゃない」
俺の表情を覗く彼女の首筋に
柔らかい茶色の髪が滑り落ちる
リン「……どうかな、鈴と父さんはそう思ってないだろうし」
呼吸も落ち着いてきて
涙をぬぐった指は乾き始めていた
アキ「鈴??」
リン「それでもやっぱり、鈴と父さんと会いたかったに決まってる」
俺は冷静になればなる程
悲観的になる自分に嫌気がさしていた
リン「母さんの最期だったんだ、鈴と父さんだって会いたかったよ」
後悔したってしきれない
もう誰も母さんとは会えないんだから
鈴だって父さんだって
俺のことをズルいと思っただろう