妹系男子。
……なんて考えも浮かんだけど
距離を置いた彼女の表情を思うと
瞬時に否定する自分もいる
リン「……林さん」
アキ「ん、何??」
彼女の白い肌は透き通っていて
ほんのり桃色がかっている
アキ「どうしたの??」
………
………
………
『好きだよ』
なんて
改まって言うのは気恥ずかしかった
だからこの言葉を飲み込んで
ゆっくり首を横に振ってみせた
アキ「早く戻ろう、寒いよ」
手招きする仕草も可愛い
風に抗って髪を掻き上げたうなじも
俺も小走りになって彼女の隣に並ぶ
隣に来ると
その距離にお互い恥ずかしくなった
だけど距離はそのままに
少しだけはにかんだ声を漏らして
俺と林さんは屋上を後にした