妹系男子。
必死でもがいた
教室は暗かったから
何度も机や椅子に足をぶつける
だが振り返ってはいけなかった
そしてふと
――『幽霊は光が嫌い』
微かな過去の記憶がそう言うのに気付く
一心不乱にスイッチだけを探した
明かりさえ点けばこっちのもんさ!!!
壁に手を這わせながら
やっと触れた突起物を押す
『カチッ』
無事にスイッチを見つけられたらしい
徐々に教室は明るくなった
俺は安堵に肩の力を託す
………
………
………
いや、油断は禁物
まだ奴は背後にいる
オーラが見える程
超能力者ではないが
そこには明らかに気配があった
背中がゾクゾクする
俺はゆっくりとそちらを振り返った