キミの隣に僕がいる

「返事は、

今じゃなくていいから…。

今度の旅行の時に聞かせて欲しい。」

さっきまで泣いていたのが嘘のように優しく微笑む優貴。

「……わかった。」

正直、複雑な気持ちだった。

過去を打ち明けられてからの告白だったから。

でも、

優貴が好きな気持ちは変わらない。

それでも、

どこか寂しく思っている自分がいるんだ。

「雅、静かに聞いてくれてありがとう。

戻ろう?悟と美奈ももうすぐ帰ってくると思うから。」

立ち上がる優貴。

「そうだな。」

そう言って頷く俺。

そして、ベランダを後にした。
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