キミの隣に僕がいる

「へぇ…俺が1位とか、

先生が字を打ち間違えたんじゃね?」

まだ納得できない。

ありえないだろ。

「間違ってねぇからっ!

雅は、聖より頭いいんだなっ!」

「いや、高瀬くんの方が頭はいいんじゃねぇの?」

「まぁ、アイツがテストで間違えるのは、

ただのボンミスだからなぁ。」

きっと、高瀬の顔を思い出しているのだろう。

悟の表情はすごい優しい。

つい、数日前に明かされた優貴の過去。

悟たちは2人で話せるようにと席をはずしていたらしく、

もうすべてを知っている。

そして、

悟はたまに高瀬の話を俺に聞かせてくれるようになった。

話しているときの悟の笑顔は、

すごく優しい。

懐かしそうに、話すんだ。

でも、時々悲しい顔をする。

それはきっと俺が高瀬に似ているから。
< 118 / 135 >

この作品をシェア

pagetop