キミの隣に僕がいる

「ひじ、り…」

静まり返った教室に響く声。

なんで俺の名前知ってるんだろ。

俺の名前を呼んだであろう女子を見る。

その女子は、華奢な身体で、真っ直ぐなブラウンの髪、

そして、引き込まれるほどキレイなブラウンの瞳を持った、

いわゆる、''可愛い子''だった。

窓側の5番目の席に座っている女子。

その女子を見ている俺の後ろで、

先生は俺の名前を書いていく。

「聖 雅です。今日からよろしくお願いします。」

そう言った瞬間に、

さっきの女子が教室から走って出て行った。

わけがわからない。

見えてしまったんだ。

その女子が涙を流しながら走っていったのを。


< 4 / 135 >

この作品をシェア

pagetop