キミの隣に僕がいる
「ひじ、り…」
静まり返った教室に響く声。
なんで俺の名前知ってるんだろ。
俺の名前を呼んだであろう女子を見る。
その女子は、華奢な身体で、真っ直ぐなブラウンの髪、
そして、引き込まれるほどキレイなブラウンの瞳を持った、
いわゆる、''可愛い子''だった。
窓側の5番目の席に座っている女子。
その女子を見ている俺の後ろで、
先生は俺の名前を書いていく。
「聖 雅です。今日からよろしくお願いします。」
そう言った瞬間に、
さっきの女子が教室から走って出て行った。
わけがわからない。
見えてしまったんだ。
その女子が涙を流しながら走っていったのを。