キミの隣に僕がいる

「雅くんは、あそこの席に座ってね?」

先生が指差す方を見ると、

それはさっきの女子が座っていた席の隣だった。

俺は席の方に歩いていく。

その間もクラスはシンと静まり返っていた。

俺が歩く度に、みんなの目線が動いてく。

その中で、1人の女子に目が行く。

たしかモデルの西崎美奈?

こんな人がここにいるなんて驚いた。

その隣にいる男子と目が合った。

その男子は、俺から目を逸らして、

教室からあの女子と同じように出て行ってしまった。

それにつられて西崎も出て行く。

わけがわからない。

俺、初めて会ったはずだぞ?

そんなに、赤みがかった茶髪が悪い印象を与えてるのか?

でも、これは地毛。

染めたわけでもないし、なんとも言えない。

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