キミの隣に僕がいる

「で、どうした?」

「どうしたじゃなくて、もうお別れ!」

いつの間にか悟ると昨日別れた道に来ていた。

「そっか。じゃあまた明日な?」

「おう。」

悟は自転車のハンドルを曲げたまま笑った。

悟が漕ぎ出そうとした時、「悟っ!」俺はふいに呼び止めていた。

昨日と同じように夕日が沈みかけている。

「どした?」

首を傾げて優しく微笑む悟。

「悟の笑顔って、人を元気にするよな。
心を温かくするっていいうかさ…。
なんかその笑顔見てると落ち着く。
だからさ、悟はいつでも笑いなよ。
悟の笑顔って人に何かを感じさせるるパワー持ってんじゃね?
俺、まだ友だち2日目だけど、
その悟の笑った顔好きだ。って何言ってんだろうな俺(笑)
じゃあなっ!」

俺は思っていたことを悟に告げてその場から逃げた。

だって、なんか恥ずくない?

男に''好きだ''とかさ。

たとえそれが友情としても、あんなキレイな夕日をバックに言うとかどんだけロマンティックなんだよ。



でもな、俺が逃げた後に悟がその場で涙を流していたなんて…

俺は知る余地もなかったんだ。


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