キミの隣に僕がいる

「えっ?俺、何か聞いちゃいけないこと…言ったんだな。ごめん。」

「雅は悪くない。それに、何でもねぇよ。」

「うん。なんでもないから心配しないで?馬鹿が急に戻ってきたのが悲しかっただけだから。」

「そっか。」

じゃあ、なんで優貴は涙を溜めてるの?そう聞きたかったけど、

これ以上話さないほうがいい感じの雰囲気だったから言わなかった。

「あっ、質問に答えるな?」

美奈に''馬鹿''と言われたらすぐに反応する悟が、

今は反応しないで質問に答えようとしている。

やっぱり、何かあるんだよな…。

でも、聞かない!

そう決めたんだから。

「学年2位は、高瀬って言う奴だよ。」

「それ、男?女?」

「男だよ。私たちとはあんまし話したことないし下の名前は知らないんだよね。」

「そう。ただ男子の高瀬としか知らない。」

2人の話す姿は、何か悲しそうだった。

でも、普通にこの時は信じていたんだ。

2人が嘘をついてるなんて、知らなかったんだ。

「そうなんだ。その高瀬っていうやつ見てみたいな。」

俺が呟くと、また2人は悲しそうな顔をした。

優貴は、泣いていた。

「優貴っ!?」

俺が叫ぶと西崎は振り返って優貴の頭を撫でる。

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