キミの隣に僕がいる
「聖、なんでいるの?教えてよ。なんでここにいるの?」
一瞬、バレたのかと思った。
でも、違った。
「聖、なんで私を苦しめるの?あれは聖じゃないんでしょ?どうして?本当の聖に逢いたいよ。聖…」
『愛してる』
風に乗って、今まで以上に強く、愛しく、
切ない声でキミは空に向かった言ったんだ。
ガタッ
俺はキミに近づきたくて、動こうとしたときに近くにあったドラム缶にぶつかってしまった。
ヤバイと思ったときには遅かった。
「ひじ…り…」
キミはそう呟く。
俺は我慢できなかった。
キミの涙を見るのがあまりにも辛くて…。
そして誰かに操られたかのように、
俺はいつの間にかキミを抱きしめていたんだ。