キミの隣に僕がいる

「あのさ、7月の5日から8日まで旅行行く。」

『はぁぁぁ!?あんた、何言ってんの?冗談やめなさいよ!』

耳がキンキンするんですけど…。

「冗談じゃなくてさ…友だちが沖縄旅行を福引で当てたんだよ。」

『…雅のバーカ!もう知らないもん!私は颯人とパリ行くもん!』

パ、パリですか?

『椿、今度は何言ってんだよ。それにパリってなんだよ。どっからパリが出てくるような話を雅としてんの?』

呆れた声で言う颯人。

『颯人、7月5日から8日までパリに旅行行こっ!』

海外なのにたった3泊4日?

『椿、お前何弟相手にたてついてんだよ。それに、その間って重要な講義あるんじゃないの?』

『いいのっ!私は雅と違って頭いいから!』

なんか、ムカつく。

『それとも、ニューヨークに一緒に行く?』

『……いや、パリでいいや。うん。パリでいいよ。そうしような、椿。』

焦った声だな。

まぁ、ニューヨークには親父いるし、な?

小さい時は颯人のこと散々可愛がってたくせに、

椿と交際したのを知ってから急になんか厳しくなってるもんな。

嫁にやる父の気持ちって感じ?
< 90 / 135 >

この作品をシェア

pagetop