キミの隣に僕がいる
「あのさ、7月の5日から8日まで旅行行く。」
『はぁぁぁ!?あんた、何言ってんの?冗談やめなさいよ!』
耳がキンキンするんですけど…。
「冗談じゃなくてさ…友だちが沖縄旅行を福引で当てたんだよ。」
『…雅のバーカ!もう知らないもん!私は颯人とパリ行くもん!』
パ、パリですか?
『椿、今度は何言ってんだよ。それにパリってなんだよ。どっからパリが出てくるような話を雅としてんの?』
呆れた声で言う颯人。
『颯人、7月5日から8日までパリに旅行行こっ!』
海外なのにたった3泊4日?
『椿、お前何弟相手にたてついてんだよ。それに、その間って重要な講義あるんじゃないの?』
『いいのっ!私は雅と違って頭いいから!』
なんか、ムカつく。
『それとも、ニューヨークに一緒に行く?』
『……いや、パリでいいや。うん。パリでいいよ。そうしような、椿。』
焦った声だな。
まぁ、ニューヨークには親父いるし、な?
小さい時は颯人のこと散々可愛がってたくせに、
椿と交際したのを知ってから急になんか厳しくなってるもんな。
嫁にやる父の気持ちって感じ?