キミの隣に僕がいる

『学年2位は、高瀬って言う奴だよ。』

『男だよ。私たちとはあんまし話したことないし下の名前は知らないんだよね。』

『ただ男子の高瀬としか知らない。』

『高瀬がどんなやつか知らないんだよな。』

悟と西崎が前に言っていた言葉を思い出す。

知らないんじゃねぇの?

なんでこんなに優貴は高瀬とかいうやつと仲よさそうに笑ってんだよ。

優貴の、元彼とか?だから隠してたとか…。

でも、こんなに俺に似ているなら、

学校でもわかるはず。

てか、絶対に目に入るでしょ?

それなのに会ったことがないってなんか変に感じる。

もしかして…この世にいないとか?

そうだったら辻褄が合うかもしれない。

悟たちがこの写真のヤツの名前を俺が出すと悲しそうな顔をしていた。

そして、クラスの人や先生までもが悲しそうな顔をするのは、

俺が高瀬に似ているから、だろ。

次のことは、考えたくない。

でも、頭は勝手に中で考えてしまっている。

優貴が俺を見て泣いたり、笑ったり、''聖''と愛しそうに呼ぶのは…




俺を高瀬と重ねてしまっているから。
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