キミの隣に僕がいる

「………」

気づけば、頬に涙が伝っていた。

俺、こんなにも好きなんだよな。

俺の名前を呼ぶのも、泣くのも、

優貴が、俺のことを名字で呼ぶのは、

俺を重ねていたからなんだよな。

優貴は全部、俺を通して''聖''を見ていたんだ。

胸が締め付けられる。

こんなにも、恋って苦しいんだな。

もし、今俺が帰ったら、

外にいる悟に気づかれると思う。

なんでかわからないけど、気づかれる感じがするんだ。

そしたら、もう、俺はこの3人と一緒にいることはできなくなる。

そんなの嫌だ。一緒にいたい。

せっかくできた、友だちだから。

俺は涙を拭いてアルバムを元の位置に戻す。

優貴、俺を重ねててもいい。

''聖''だと思っていいから…。

だから、優貴、キミの傍にこれからもいていいですか?


そして、優貴、キミのことをこれからも想っていてもいいですか?




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