年上王子と新婚旅行☆
華が好きなら、と、伸ばしかけた手を引っ込めてハンドルを握った。
ゆっくりと発車させ、走り慣れた道を進む。
華はさっきから、ボーッとしているようだ。
「眠いなら寝ていいのに。」
「ん〜…大丈夫…
昨日、寝るのが遅かったから…」
明らかに眠たそうな声で喋る。
その虚ろな瞳にさえドキドキしてしまう俺は……
……ガキか?
「サービスエリア着いたら起こしてやるから。今のうちに寝とけ。
旅館ついてから寝てたらつまんないだろ?」
運転したまま視線だけ華に向けると、すでに目を瞑っていた。
……もう寝てるし。
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