プリンセスの条件
「……んッ」
翔太とはチュッというキスしかしたことがない。
まだ子供だったから。
だけど今、すごくエッチなキスをしている。
「…ッ…あッ……ッ」
激しく絡められる舌。
息つく時間ももらえないくらい熱く深い翔太のキス。
だけど気持ちいい。
これはキスしてるのが翔太だから?
それとも翔太がキスが上手いから?
翔太は誰とこんなキスを覚えたんだろう。
誰にこんなキスをしてきたんだろう。
高校生の時は彼女がいたのを知ってる。
だけど今は……?
翔太はだんだんあたしに自分のことを話さなくなった。
あたしがどんなに彼氏の話をしても。
それをずっと寂しく思っていたのに、こんなキスをされたら聞かなくてよかったって思う。
嫉妬してしまいそうなほど気持ちいいこの感覚を、他の人も知っているなんてイヤ。
翔太のキスに一生懸命応えていると、翔太の手があたしの胸を掴んだ。
ビクッと反応する身体。
翔太に身体を触られたのは初めてで。
だけどイヤだとは思わなかった。
翔太が唇をほんの少し離してあたしの名前を切なく呼ぶ。
「マイ……」
その間も刺激を与え続ける翔太の手の動きに、自然と声がもれた。