プリンセスの条件
*お姫様の誤算
「……ん」
翌朝。
身体に少し違和感を覚えながら、体内時計でいつもと同じ朝6時に目が覚めた。
だけど頭がポーッとして働かない。
そう言えば今日は土曜日だっけ……なんて思いながら、もう少し寝ようと寝返りをうつつもりが、身体が強い力で押さえられて動かなかった。
「え……」
そこでやっと思い出す。
昨夜の出来事を。
ベッドの中のあたしは裸で、いつも一人のこのベッドに今日は翔太がいる。
……裸で。
あたしの胸元に顔をうずめて、両腕はしっかり背中に回されている。
だから動けなかったんだ……。
なんて、呑気に思ってる場合じゃない!!
急に心臓がバクバク音をたて始める。
だってあたしたち、昨日ヤっちゃったんだから!!
ただの幼なじみの翔太と、どうしてそんなことになったんだっけ!?
ビールを一気飲みした後の記憶があやふやだ。
だけどたくさん翔太とキスをして、すごく優しく抱かれたことは覚えてる。
それに、すごく気持ちよかったことも……。
思い出すだけで心臓が破裂してしまいそう。