プリンセスの条件

嘘でしょう!?


「今度はアホヅラだけど」


キュン!

翔太の白い歯がチラリと覗き、笑っている顔がすごく可愛くて、胸がキュンキュンと鳴った。


ダメだ!!

あたし、このままじゃ本気でおかしくなる!


「え?マイ?」


床に散乱しているワンピースを手に取り、

「シャワー浴びてくる!」

慌ててベッドから抜け出した。


頭から熱いお湯を勢いよくかぶる。

本当、どうかしてるよ……。


今までたくさん恋をしてきたけれど、こうして何度も男の人と朝を迎えてきたけれど、胸がキュンとしたことはなかった。


だから正直、自分でも驚いてる。

本当に“キュン”なんてするんだってことに。


「なんでそれが翔太なのよ……」


身体の熱を冷ましたくて、シャワーを水に変える。


「早く冷めて……」


どんなに水を浴びても、身体の火照りはとれなかった。




< 18 / 95 >

この作品をシェア

pagetop