プリンセスの条件
嘘でしょう!?
「今度はアホヅラだけど」
キュン!
翔太の白い歯がチラリと覗き、笑っている顔がすごく可愛くて、胸がキュンキュンと鳴った。
ダメだ!!
あたし、このままじゃ本気でおかしくなる!
「え?マイ?」
床に散乱しているワンピースを手に取り、
「シャワー浴びてくる!」
慌ててベッドから抜け出した。
頭から熱いお湯を勢いよくかぶる。
本当、どうかしてるよ……。
今までたくさん恋をしてきたけれど、こうして何度も男の人と朝を迎えてきたけれど、胸がキュンとしたことはなかった。
だから正直、自分でも驚いてる。
本当に“キュン”なんてするんだってことに。
「なんでそれが翔太なのよ……」
身体の熱を冷ましたくて、シャワーを水に変える。
「早く冷めて……」
どんなに水を浴びても、身体の火照りはとれなかった。