プリンセスの条件
※※※
「クシュンッ」
『で?30分も水浴び続けて風邪ひいたわけ?』
「……」
『バッカねぇ。後でお見舞い行ってあげるから。大人しく寝てなさい』
翔太に抱かれ、翔太の温もりとともに目覚めた土曜日。
翔太の家で水を浴び続けたせいで風邪を引き、本当に熱をだしてしまった日曜日。
月曜日になっても熱はいっこうに下がらなくて、同じ学部の友人であるミサトに休みの連絡をした。
だけど、ちょうどよかったと思う。
学部は違うけれど、大学でバッタリ翔太に出会ったりしたら、正直まともに顔見られる自信がない。
土曜日の朝、翔太はあたしに、これからもあたしたちはただの幼なじみだって言った。
だから例えキャンパス内で会ったとしても、翔太は今までと変わらない態度であたしに接してくれる。
あの夜のことなんてなかったかのように。
だけど……
あたしの方がもう……
翔太の前で普通にしてられない気がするんだ。