プリンセスの条件
ピンポーン♪
「ん……」
どれくらい眠ったのか、玄関のチャイムの音で目を覚ますと、すっかりカーテンの向こう側は真っ暗になっていた。
ピンポーン♪
二回目のチャイムの音で、あたしはゆっくりベッドから起き上がり、玄関へ向かった。
モニターを覗くと、スーパーの袋を持ったミサトがモニター越しにピースサインをしているのが目に入る。
「色々買ってきたよー!重いから早く開けてー!!」
「今開ける!」
オートロックを解除して玄関の鍵を開けて待っていると、すぐにまたチャイムが鳴った。
「ミサト、ありが……」
ドアを開けてミサトを迎え入れようとしたのに、さっきモニターに映っていたミサトはどこにもいなくて。
「な……んで……」
朝より少し身体がラクになった気がしたのに、また体温が急上昇する。
「悪い。……オレがミサトちゃんに頼んだんだ」