プリンセスの条件
その時、突然翔太の右手があたしの頬に触れた。
ビックリして全身に力が入る。
「しょ、翔太?」
今度はゆっくり顔を近づけてくる。
キスされる!?
咄嗟にキツク目を閉じて、受け入れ態勢を作ってしまった。
だけど、唇よりも先にコツンとぶつかったのはおでこ。
「……え」
「んー、まだけっこう熱あんな」
「ね、熱?」
そこでやっと全てを理解。
全部あたしの勘違いというか自惚れってやつで、とても恥ずかしくなった。
「なんかお前、顔赤いぞ」
「ね、熱があるからよ!」
あははと笑いながら、部屋のドアに手をかけた。
「キスされると思った?」