プリンセスの条件
翔太とキスをしながらも、こみ上げるのは深い罪悪感。
彼女持ちの男とだけは、デートもキスも、それ以上も絶対しない。
そう固く誓っていたのに……。
キスを終えた翔太が、なぜかとても嬉しそうに笑って言った。
「遅すぎだろ」
「え……」
「やっと好きになった?オレのこと」
意味がわからなかった。
あたしが好きになったら困るくせに、どうしてそんなに嬉しそうなのか。
「なんで……」
「ん?」
「なんでそんなヘラヘラ笑ってられんの?」
「ひでー、ヘラヘラって」
「それが気に入らないの‼」
翔太が驚いたように口を開けたまま目を見開いた。