プリンセスの条件
「どうして困らないの……」
小さい頃からいつも一緒にいるあたしたち。
はっきり言って、もう家族も同然。
これからも、変わらず家族でいられる方がいいに決まってる。
波風なんて立てない方がいいに決まってる。
だって、翔太にとってあたしは……。
「翔太のバカ」
「待て、マイ。話が見えない」
「バカ。大バカッ!」
「だから、なんで」
「キスしたからに決まってるでしょ!!」
バカバカバカ!
触れてもらえて嬉しくて。
だけど、その度に後ろめたさがジワジワと攻めてきて。
消化しきれない行き場のない思いを翔太にぶつけてしまった。
「なんで彼女なんか作ったの……」
言ってることは支離滅裂。
だけど止まらなかった。