プリンセスの条件
※※※
首元のヒヤリとした冷たい感覚で目が覚めた。
視界にうつるのは、見慣れた真っ白い天井。
「……あ…れ……?」
枕元から、少し不機嫌そうな声の主が現れた。
「やっとお目覚めか」
「え、……あたし?」
まったく記憶がない。
あたしの前髪をクシャッと撫でて、翔太はまたため息をはいて言った。
「嫌がらせか」
「……え?」
「肝心なとこでいつもお前は気を失う」
「肝心な……とこ?」
さっきの記憶を必死に辿りながら思い出した。
あたしの告白めいた発言に、翔太が何かを言いかけたんだ。