プリンセスの条件
「何て言ったの?……さっき」
ブスッとした顔をしてあたしのおでこを指ではじく翔太。
「オレはもう学習した」
「……何を?」
「熱があるお前に、何を言ってもムダってこと」
どうやらあたしはまた風邪をぶり返してしまったらしく、さっきの冷たい感覚は、翔太が用意してくれた氷枕によるものだった。
ぶっきらぼうにあたしのおでこに熱さまシートを貼って、翔太がまたぺチッと叩く。
「なに、そんな怒ってんの」
「怒ってない」
「……怒ってんじゃん」