プリンセスの条件
これは……
もしかして、翔太なりの優しさ?
告白を“なかったこと”にしてくれようとしているのかな?
これからも今まで通り、幼なじみとして接してくれようとしているのかな?
「あたし、フラれたってことかも……」
つまりは、そういうこと?
ガックリと肩を落とすと、ミサトにポンポンと頭を叩かれた。
「大丈夫よ、マイ。あたしの目に狂いがなければ、翔太くんはもう既にマイの彼氏だと思うな」
「……そんなわけない」
「なんでよ。マイらしくなくない?そんなネガティブなタイプじゃないでしょ?マイは」
「そうだけど……。翔太に関しては、オールネガティブ」
「マイ、超ウケル!!」
自分の膝をバシバシ叩きながら、ミサトが楽しそうに笑う。
だけど視線の先に誰かを見つけたのか、「あ!」と声をあげた。
「ちょっとマイ!!」
「今、ネガティブ中なの。もうちょっとそっとしといてよ……」
消え入りそうな声でそう答えると、ミサトが無理矢理あたしの頭を起こした。
「あれ!ほら、ちゃんと見て!!」
「……え?」
うつろな目でミサトの指先を辿ると、次の瞬間一気に脳が覚醒した。