プリンセスの条件
「イヤイヤイヤ!翔太も一緒に寝てくんなきゃイヤ!!」
翔太が困ったように笑う。
「無理言うなよ。オレだって男なんだ。それくらい分かれ」
そう言って翔太はあたしをお姫様抱っこして寝室へ向かう。
酔っぱらったあたしの暴走は止まらない。
「何よ!翔太の意気地無しッ!!」
「はいはい」
「それでも男なの!?本当についてんの!?」
「お前なぁ……」
「男なら、強引に襲ってみなさいよッ!!」
「いや、それ犯罪だから」
あーだこーだ言っているうちに、寝室のベッドの上に下ろされた。
翔太は着替えを探してあたしに差し出す。
「これ来てさっさと寝ろ。酔っぱらい」
どうやら本当にソファーで寝るつもりらしい。
あたしがここに泊まると、いつもそうだ。
なんだか気に入らない。
昔はよく一緒にお風呂だって入っていたのに。
「一緒に寝てよ」
「ダメだ」
「なんでダメなの?一緒にお風呂だって入ってたのに!!」
「いつの話してんだよ」
「何よ!なんなら今から一緒に入る?あたしはぜーんぜん構わないけど」
「……お前、意味分かって言ってんの?」