SHINING
二人の後ろからバタバタと近寄る足音が聞こえた。

「サルビングさん!」

呼び掛ける声に皇紀は足を止め

「ディレクターじゃん…
面倒臭ぇな」

つられて恵理奈も振り返った。

「お疲れ様でした」

皇紀は張り付けた笑顔で近寄り
差し出された手を軽く握った。

「いや〜
今日は本当に助かりましたよ。
ありがとうございました」

上機嫌で話すディレクターに

「いえ此方こそうちの恵理奈を
使っていただきましてあざ〜す」

語尾を誤魔化しつつ崩した。

「化粧映えするしスタイルも良いこの娘は売れますよ!」

「…宣伝部に伝えときます」

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