SHINING
サングラスをずらし

「すげぇ〜」

出入口を占拠するファンを眺め

「いつも俯き加減に周りを固めて突破してきたからよく見てねぇがこんなだったんだな…」

呟く皇紀に

「いえ…
皇紀さんはご存知ないでしょうが今日は普段の半分以下ですよ」

ニチカは付言する。

「半分以下…」

慶吾の驚嘆を

「念の為俺と彼とで挟みますか?彼女は後から来た方が良いかと」

ニチカは遮った。

「馬鹿だなニチカ…。
誰を警護する価値があんだよ?」

軽く手を振り颯爽と歩き出す。

「しかし皇紀さん…」

皇紀の前に回るニチカを

「解ってんじゃん!
俺は岸田皇紀…一般人なんだよ」

足を止めることなく追い越した。

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