SHINING
カメラのシャッター音に合わせて流れる様に次々とポーズを取っていく‘S’を脇に控えるニチカが見詰めていた。

途切れぬ集中力にフィルム換えを潜りメイク直しに入る。

これだけのライトの中少し動けば汗がじわりと流れ出るのだが。

本人に至っては涼しげに顔色一つ変えずに魅せ続けていた。

‘S’のプロ意識に驚愕し改めて尊敬の念を抱いた。

ニチカは悩んでいた。

正直‘S’の仲間として受け入れられたのは嬉しくないわけではなかった。

だからといって簡単に同調しても良いものだろうか。

モデルとしての‘S’になら惜しむことなくこの手を貸せるのだが。

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