SHINING
スタジオの入口付近ニチカが壁を背に寄りかかっている。

「来たか…」

恵理奈を見つけ近付き。

「恵理奈…で良いんだよな?」

多少遠慮がちにニチカが訊ねる。

それがスタジオで会った日以来で顔を忘れての確認なのか
単に呼び方の事なのか
どちらにも取れる様に

「はい」

恵理奈が短く返事をする。

「一応の確認だ…」

ボソッと呟き歩き出したニチカの後を追うように付いていく恵理奈からニチカのほんのり赤くなった耳が見えた。

「今日もニチカさんがメイクしてくれるんですか?」

少し早足で並んで歩く恵理奈を
ニチカが見下ろした。

< 132 / 140 >

この作品をシェア

pagetop