SHINING
更衣室に一人立ち尽くす。

「どうしよ…」

その手には
去年まで着ていた
体操着が握られていた。

「今日男子と合同だったなんて」

仕方なく体操着に袖を通す。

目に溜まる滴が
膨らみを濡らしていく。

時計の針は刻一刻と
時を告げていく。

「もう…ヤダ…」

ついにその場にしゃがみ込んだ。

隣にしゃがみ込む気配に
顔を上げる。

「女子更衣室って…初めて…」

「嘉瀬君…」

「何してんの?」

「あの…えっと…着替え…」

「へえ〜…」

その目に映る
胸元を両手で隠す。

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