SHINING
淡々と話し続ける慶吾を
包み込む様に背中に腕を回す。

「俺には何もなかったな…。
直海君にはネックレス…。
皇紀君にはブレスレット…。
綴喜君にはコンパクト…。
秀磨君にはピアス…。
皆持ってるのに俺には何も…」

その声が痛々しく
恵理奈は思わず慶吾の頬を包み
その唇に微かに触れさせた。

「ファーストキスなんだからね」

微笑を浮かべ

「恵理奈の初を俺にくれるの?」

その頭を抱え近付け

「初だけじゃ足りない…」

何度も重ね合わせた。


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