SHINING
玄関前に横付けされた
黒塗りのワンボックスカー。

「早く乗れ時間がないぞ」

助手席側の窓から
運転席の直海が声を掛ける。

最後部席には
頭からフードで覆われた

「先に言っとくが…、
足を引っ張った時点でアウトだ」

皇紀が鋭く見やった。

「‘S’…」

「大丈夫だって!なっ恵理奈?」

慶吾と並んで前席に座るが
視線は皇紀から離せずにいた。

「恵理奈…見過ぎだから」

慶吾がその頭を強引に前に向かせ

「俺達の仕事は
簡単に言えば‘S’の付き人…。
恵理奈も知ってると思うけど、
‘S’っていうのは性別年齢全て謎のベールに包まれたスーパーモデル」

「正体バレる様なことすんなよ」

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