「湯をかけて三千里」
彼はあろうことか、運転中に自分の下半身いじって自慰コいとって気持ちよさ余り運転放っぽり投げとったっそうで、そん姿を乗客に目撃されてしもて、週刊誌にもその真相が載ってしもて、そんなバカ運転手の娘やからと、地元の人間から彼女は精神的集団リンチの毎日、事故を起こしたのはおまえら全員の責任やと普通の乗客から因縁付けられ、ホームで白昼堂々と殴られたり蹴られたりしとった駅員さんからも、更に、彼女は殴られたりして、心底この地元はファック糞糞糞と思っていた彼女。だから彼女は中卒になることを決めた。当時、自分が通っとった学校は、中高一貫教育で一ヶ月後にはそのまま高等部に進学できる筈やったのに、でもそれを拒否し、中卒の学歴を選択した上で単身上京を果たした、でその後、東京で六年の間に色々あって色々考えて、結局、再びこの土地に戻って来て、この因縁の大阪環状線に乗ってみたら、なんと、今車内で、糞くだらねえ発射ごっこなんぞして騒ぐバカ中坊四人に遭遇、その様子があまりにもウザいので、電車が停車した隙に、奴らを外に全員つまみ出した、そしたら、バカ四人の一人が顔見知りのおまえだったりする。彼女、おまえに会うの何年ぶりやと訊く、おまえ答える「何年ぶりか、やろかー。確か、事故あったんが小学三年時、やったと思うから」今は中学何年や「三年」六年ぶりか、と素早く計算して答え出す彼女は今二十一歳。おまえに言う、ほほう自分で汁出せるまで成長したんかケケケケ、と。すると、おまえら赤面。で、おまえの隣にいた鰤がじっと彼女二十一歳の顔凝視しとったかと思うと、いきなり「うー」と汚え喘ぎ声出して「出マイター」と汚く呟く。それを隣のノリが汚物見るような目して彼に突っ込む「今頃出すな!ほんま遅延か!おい、はよトイレ行こ。ゴム捨てこよや。んでまた電車乗るで」なんて。
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