まいひーろー



「…………」


突然、考え込むようにして無言になった森田さんに、私は気を落とす。
ここからの流れは、いつも一緒だから。



「………蕾ってさぁ、
うちのクラスじゃ天然記念物だわ。」


「…………え?」


予想外の言葉、というよりも意味が理解できない言葉に目を白黒させる。


……………


必死に考え込むが、やっぱりわからない。



「あぁ、ごめんごめん。
意味わかんなかったよね。
うちのクラスってもはや"静か"のしの文字も知らないようなやつらばっかだからさ。
こういう蕾みたいな子が新鮮っていうか。」


ほら、周り見てみ?
森田さんに促され、おそるおそる視線を回せば、なぜか視線が合ってしまう。


「みんな蕾に興味深々でしょ。」


「で、でも私、つまらないし……それに、森田さんだって…」


あぁ、また。
せっかく話しかけてくれている森田さんに、ついつい否定的な態度をとってしまう。



「茜。」


「………え?」
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