まいひーろー

「茜って呼んで。」


「………あ、茜、ちゃん……？」


「よし。
これからそう呼ばないと返事しないかんね。」


満足げに笑った後にあ、そうだ。と茜ちゃんは意味深な笑みを浮かべる。


「それに、つまらないって言ってたけどただ単に口下手なだけでしょー？
いいじゃん、そういう子ってじつはモテるんだよ。」


とんでもないことを言われ慌てる私。


「そっ……そんなこと……！」


「あはは。
それに、気にすることないよ。
口下手よりも口達者な奴の方が面倒臭いんだから。」


慌てて否定するも、そんなことはお構いなしな茜ちゃん。
しかも。


「…………ナンデスカ。」


「え、別になんもないけど。」


「今あきらか俺の方見てただろ！！」


「うーわ。蕾、覚えてなよ？
自意識過剰な奴ほど鬱陶しい男ってないからね。」


「なにお前蕾に吹きかけてんだよ！！」



突然、やっと丸井先生とのコントが終わったのか席に戻る相沢君との口論が始まる。
その間に立たされる私はなにをしたらいいのかわからずあたふたするだけ。


「………なぁ、蕾！！」


「えっ？」


どうしようかと悩んでいたら、突然名前を呼ばれて声の方向に向けるとそこには相沢君が。


「う、うん……。」


内容はわからないがとりあえず相槌を打っておく。
…………が。