まいひーろー


「ほーらみろ!
俺の方が茜よりも蕾と仲いいんですー。」


え…………えぇ!?


なんだか話がとんでもない方向のような気がして、慌てて口を開こうとしても―


「………蕾。」


「?えっ、なに茜ちゃん?」


ここで自分の名前が出てくると思わなかったので思わず身構える。


「太陽の名前呼んでみて。」


「………相沢、君?」


「はい太陽の負けー。」


「それずりい!!!」


「………??」



悔しそうにバンバカバンバカ机をたたく相沢君に自分が何かしたかと必死に考えるが何も出てこない。
……も、もしかして私が名前で呼んだから……?



「ご、ごめんなさい。
次からは名前で呼ばないように気をつけるので……」


「えぇっ。なんで!!」


な、なんでって……


「私に名前が呼ばれるの、嫌だから……」


「なにそれ!?
逆だよ!!!
俺も名前で呼んでほしいんだけど。」


少し頬を染めて、椅子から身を乗り出す相沢君。


………だけど。
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