まいひーろー
結局、台本はそれからみんな手をつけずに、雑談に華を咲かせ。
途中から、なぜか私の方からポテトをつまみ食いする如月くんや、太陽くんと茜ちゃんのやり取りを聞いて笑っているといつの間にか夜ごはんの時間になっていて。
「んじゃあ、そろそろお開きかぁ。」
それを告げると、みんな嫌な顔一つすることなく、お開きにしようか、と言うことになった。
「じゃあ、また明日ね。」
「バイバイ」
「あー、俺は蕾送っていくから、こっち!」
私以外は、右側なのに、なぜかこちらに立つ太陽くん。
不思議に思って見ていると、にっこりと笑ってそう言う太陽くん。
だけどそれをありがとう、と素直に感謝できない私は、
「い、いいよ私の家遠いし……!」
太陽くん達の家は自転車でも行ける距離らしいが、私は電車で3駅乗らないといけない。
そこまで遠くないとはいえ、やっぱり家まで、っていうのは気が引けてしまう。
「じゃあ、駅までだったらいい?」
だけど。
少し考えた後そう言われてしまって、私は縦に頷くしかなかった。
そして、ばいばーい、と茜ちゃんと如月くんと別れた後、私と太陽くんは近くの駅まで歩く。