まいひーろー

正直に言って、つなぐ、と言うこと自体は何の抵抗もなかった。
だけど、それに羞恥心がわく。
大人しく、うん、と答えることが。


「……ごめん、忘れて」

バッと顔を上げると、左手を口元で隠して視線をそらす太陽くん。
…………よく見てみると顔が真っ赤、だ。

「あー俺なんでこんなこと言ったんだろ。」

照れ恥ずかしそうに言う太陽くんに私はくす、と笑い声を漏らしてしまった。
すると目をまん丸くして、


「な、なんで笑うの?」

「ふふっ………」


太陽くんをみてたら、恥ずかしかった気持ちも、吹っ飛んでしまった。



「っ!」

「あの、えっと……」



自分から、その細長くて骨ばった手を掴む。
すると、より一層驚きの色を濃くした表情を見て私はうろたえてしまった。

そ、そんなに驚かれるとは思ってなかったのに。


「嬉しい」


なのに。


心底嬉しそうに笑う太陽くんに、またよくわからない、熱い気持ちがこみ上げてきて。
ひそかにうろたえる私だった。

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