まいひーろー
やっぱり、太陽くんは格好いいから何処でも注目を浴びてしまう。
それに対して、暗くて見た目も良くない私はいつも一目を避けて生活してきたから。
それが居心地が悪く感じてしまう。
太陽くんと私が違うんだと実感したことに自分でも驚くほど落胆した。
『2番ホームに間もなく電車が到着いたします。』
「あっ、ごめん。電車来ちゃった。」
「う、うん。」
二人して、挙動不審になる。
「じゃあ、また明日。」
「また明日。」
私の電車は1番線だよ、とは言い出しにくくて。
結局2番線ホームの階段を駆け上がる。
後ろを振り向くと、目があった途端ブンブンと手を振る太陽くんに思わず笑いながら、控え目に手を振り返した。
私にはもったいないすぎる、太陽くん。
それでも、ずっと友達でいたい。笑い合っていたい。と思ってしまう私は贅沢すぎるのかな?
そう思いながら、私は2番線から出発する電車を見ていた。