まいひーろー
「絡まって動けない……」
思ったことがそのまま太陽くんの口に出る。
「え、えっと、……」
慌てても、太陽くんの体が密着していることは変わらない。
どうすればいいのかと回らない頭で考えていたら。
「あーみんな、せっかくあの太陽が押し倒してるんだ、そっとしておこうぜー」
なんと、クラスのみんなは「あーそうだなー」と言って、作業に戻ってしまった。
………え、みんな助けてくれないの……?
人任せなのは悪いことだが、正直期待してしまったことは否めない。
「ごめん、蕾。
メジャー、背中に回っちゃってるから、それだけとれない?
俺は、蕾にからまっちゃったメジャーとるから。」
「う、うん。」
そう言われて仕方なく私は両手を太陽くんの背中にかかったメジャーを取ろうと上げる。
だけど太陽くんはこんな体制になっても、クラスに注目を浴びてもまったく気にしていないようだ。
ある意味すごいと思う。
……けど、なんだか複雑だ。