まいひーろー
「………えーっと、これをこうして…」
どうやら、私の髪に絡まってしまったらしいメジャーに奮闘する太陽くん。
そして、広い背幅に苦闘しながらどうにかメジャーを取ろうとする私。
……傍から見たらどんな奇妙な光景に見えるだろう。
「……あ、外れた!」
耳元で聞こえてきたはじけた声。
それを聞いてから一瞬もたたないうちに体が解放感でいっぱいになる。
「よ、よか……ひゃぁっ!?」
ほっと一安心するもつかの間。
がばぁっ!と思いっきり抱きしめられる。
「ななななんでっ……!?」
さっきとは比べようもない密着した体にさすがに私も正常でいられないわけで。
「んーだって、もったいないじゃん。
蕾良い香りするし」
…なんか、とんでもないことを言われている気がする。
「なーにが『もったいないじゃん。』だ!!!」
「いだだだだだっ!?」
「っ、」
もう何が何だかわからない私と太陽くんに怒声がかかる。
途端に、耳元で太陽くんの大きな声聞こえてきて驚きに体が跳ねた。